2007.07.10 (火)

日々つれづれ・・・  日記::日々つれづれ・・・

今日はあたしの妹の誕生日
妹もあたしも仕事してるし、平日は会えないから電報を送っておいた。

ちょうど去年のこの時期、パソコンを習う為に3ヶ月間のコースに通ってきてた。その前は薬局で医療事務をしていたけど、今は再就職し○町の役場で仕事をしている。

あたしは妹に冷たい。

たった1人の妹で、血の繋がった姉妹だから妹の事を嫌いな訳はない。
自分の中では、妹の事をいつも思っているつもり。

妹は15歳の時、膠原病の種類であるSLE「全身性エリテマトーデス」という、原因不明の難病に侵された。主に30代の女性にみられる血液の病気で、全身の臓器を次々侵していく・・・そんな病気になった。原因不明なので治療法がない。侵された臓器に対しての処方をしていくしかない・・・。鳥取県内での症例がなく珍しかったため、新聞にこの病気の記事が掲載された事もあった。人体実験のモデルかのように感じられた記事だった。

現代では急に死んでしまうような病気ではないが制限がある。直射日光に当たってはならない。血が止まりにくいので怪我は禁物。他の病気、軽い風邪でもかからないようにする。塩分や水分の摂取量まで決められた。

死なない病気と言っても、死んでしまうかもしれない状況をいくつも乗り越えての現在がある。

発症後腎臓が侵された。腎機能が停止し尿が出なくなってしまった。全身がプクプクと腫れ上がり、スリムだった妹の体型はむくみで覆われた。急にそんな風になったから妊婦さんに出来る妊娠線が身体全体に出来、それは今でも消える事がなく残ったままだ。青春真っ只中病気に侵され、入院生活がずっと続く。腎臓が機能しなくなったので、10代の若さで透析をする。透析の辛さは体験した人じゃないとわからない程の辛さがある。もちろんあたしもその辛さはわからない。血管が細い妹は、いつも透析開始までもが困難だった。

ある時、手首近くに透析の為の「シャント」という器具を埋め込む事になった。SLEにより血小板が少ない為手術が成功するかしないか・・・担当医に「覚悟はしておいてくれ」と言われたが、手術は成功した。今はサラリといえるが、当時は妹が死んでしまうかもしれないと言う恐怖に泣き崩れた。これによって透析はしやすくはなった。腎機能を回復する為には生体腎移植の道しかない。あたしは妹と血液型が違うので願っても妹に腎臓をあげられない。

心臓に水が溜まってしまい水を抜く手術も行った。でも症状が落ち着いている時は退院も出来た。薬での治療、透析の日々は相変わらず続く。時に良ければ悪くもなり入退院の繰り返し。こんな身体では結婚も無理であろうと思っていたのに、昔からの知り合いでもある人と結婚も出来た。
そんな時を乗り越え数年たった頃、血液型が同じ母が腎臓を提供する事が決まった。母の願いでもあった。血液型が同じだからと言って簡単に提供できるものでもない。検査結果手術が行える事になった。岡山にある病院で生体腎移植。10時間の手術時間に・・・術後も苦しんだのは母の方だった。腎臓の摘出の為脇腹を50cmも切り、今でも痛々しい跡が残っている。

術後、妹は無菌室で療養。家族であっても中に入れない。小さな小窓から妹の姿がなんとか見える。
そして、1滴も出なくなっていた尿が・・・術後見事に。この時ばかりは妹もあたしも喜んだ。もちろん本人が一番嬉しく思った事だろう。術後の経過は上々で1ヵ月後退院も出来た。しかも比べ物にならない位、妹は元気になった。そして1ヶ月に1度岡山へ定期健診へ行く。今でもそれは続いている。

SLEは治らない。プレドニンと言う強い薬を摂取しているので子供は望めない。家族も妹本人もわかっていた事だ。結婚をした妹はそれでも子供を望む。子供が欲しいと言う。色んな病院に相談しわずかな望みがみえた。
それなのに・・・妹の子宮に腫瘍が見つかった。幸いにも良性で手術こそ行ったがレーザーで焼くだけで済んだ。でもそれもある時、術部から多量の出血があり救急車で病院へ運ばれた。レーザーで焼いた部位から出血。(家族は医療ミスじゃないかと疑った)緊急手術での処置。大事には至らなかった。

それから数ヶ月。定期健診の為岡山の病院へ行っていた帰り、旦那の車の中でまたもや出血。岡山の病院へ引き返し、緊急手術となった。あまりにも突然の出来事。あたしの故郷、島根の隠岐から母もかけつける。あたしも汽車で岡山へ向かう。手術は・・・
子宮を少しでも残す話もあったが、妹の病気の事や前手術での結果から全摘出となった。

これには妹も泣き崩れ・・・わずかな希望、子供が欲しいと言う願いも虚しく絶たれる事に。

数年間の出来事を凝縮して書いたが、こんな辛くて苦しい日々を乗り越えての今。改めて書き綴ると思い出す事がたくさんある。どんなに苦しかっただろう・・・。
あたしは・・・妹に比べたら凄く幸せだと思う。

そんな妹にあたしは冷たい。
いつまでも大人になりきらない妹。
自分の事より人の事ばかり心配する妹。
人を頼ってばかりで、自分で何も決められない妹。
気を使ってばかりで・・・

こんな奴だけど、
たくさんの困難にぶつかり、乗り越えて来た。
そんな妹を誇りに思う。
「お誕生日おめでとう」

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